今年を振り返ると、年明けの能登半島地震から始まり、長く厳しい猛暑と台風による大雨など、天災や異常気象に悩まされた年でした。自然の猛威の前では、人間は無力に近いことを思い知らされた年でもありました。でも、そんな時だからこそ、自然が与えてくれるすばらしい恩恵について、考えてみたくなります。今回の収蔵コレクション展「春を待つ」では、自然の美しさや尊さが感じられる作品を、選りすぐって展示いたします。
年神様を見送り無病息災を願う火祭りを描いた松村公嗣「どんど」、豊潤な水が飛沫をあげながら落ちて来る滝を描いた千住博「ウォーターフォール」、三春の滝桜をダイナミックな画面でとらえた三栖右嗣「爛漫」等、どれも自然に対する畏敬の念が感じられる大作です。私たちは、長い歴史の中で、自然に翻弄されながらも、またその自然に癒しや力を貰って生きてまいりました。本展が、自然との共生という言葉をかみしめながら、また新しい年を迎える力になりますことを、願っております。
<開催概要>
展覧会名: 収蔵コレクション展「春を待つ」
開催場所: 長谷川町子美術館 (東京都世田谷区桜新町1-30-6)
開催期間: 2024年12月 7日(土)―2025年3月23日(日)
開館時間: 10時~17時30分(受付締切16時30分)
入館料: 一般 900(800)円、65歳以上800(700)円、大学生・高校生 500(400)円、中学生・小学生 400(300)円
※()内は20名様以上の団体、障がい者手帳をお持ちの方とその介護者
※美術館・記念館の両館をご覧いただけます。
休館日: 毎週月曜日(ただし、1/13(月)・2/24(月)は開館、1/14(火)・2/25(火)は休館 )
年末年始(2024年12/26(木)~2025年1/3(金))
お問い合わせ: 一般財団法人 長谷川町子美術館 TEL03-3701-8766