ワークショップ

ワークショップ

長谷川町子は1935(昭和10)年に漫画家としてデビューしました。
町子が手掛けた作品では、昭和の暮らしのさまざまな場面が描かれています。
現代に生きるわたしたちから見ると、古きよき日本の姿であり、一周回って目新しく感じるものも。
そんな町子が過ごし、描いた、昭和では当たり前だった手仕事を当館のワークショップで体験してみませんか。そして、その体験が、町子作品をより深く読み解くきっかけとなりましたら幸いです。


  • 繕いもの(ダーニング)ワークショップ

    【参加者募集】※終了しました

    サザエさんの中には、日常的にフネさんやサザエさんが繕いものをしている様子が登場します。
    穴が開いたものや擦り切れたものなどを繕って、捨てずに使い続けていけたら素敵だと思いませんか。
    刺繍作家のatsumiさんが先生となって、繕いもの(ダーニング)を教えてくださいます。
    お直ししたいものを持って、ぜひご参加ください。

    ・日時
    2024年2月11日(日)
    午前の部 10:30〜12:30
    午後の部 14:00〜16:00

    ・会場

    長谷川町子記念館喫茶部(またはミーティングルーム)

    ・参加費

    3500円(当日お支払いください)
    お茶付き

    ・定員

    各回10名
    (中学生以上の方対象)

    ・持ち物

    お直ししたいもの、糸切り鋏

    ・お申し込み方法

    ①か②のいずれかでお申し込みください。

    ① 長谷川町子記念館購買部・喫茶部X(旧Twitter)へダイレクトメッセージでご連絡ください。

    ② 長谷川町子記念館購買部・喫茶部へお電話ください。

     電話番号:070-5365-6133

    * ご質問等のある場合も、同じく①か②へご連絡ください。

    〈お申し込みの際の注意事項〉
    イベント中に写真を撮影し、活動レポートや広報活動に使用させていただきます。個人が特定されるようなお写真は掲載いたしませんが、そのような使用についてご了承のうえお申し込みくださいますようお願いいたします。
    展覧会をご覧になる場合には、別途チケットを購入していだく必要がございます。





    先生の紹介

    <プロフィール>

    atsumi(刺繍作家)

    多摩美術大学卒業後、アパレルメーカー、同大学に勤務ののち
    刺繍作家としての活動をはじめる
    刺繍をベースとした作品づくりで個展を開催するほか、
    異素材を扱う作家・企業とのコラボレーションワークや、
    アニメーションへの素材提供・装画制作・ワークショップなどの活動をしている
    2017 年より、刺繍の魅力を伝えるコンテンツ See Sew project の監修 2022 年より、質感であそぶ刺繍糸ブランド ototoito の監修


    2011 年 『刺繡のエンブレム』 文化出版局
    2012 年 『紙刺繍のたのしび』 BNN 新社(* 共著)
    2013 年 『ことばと刺繡』 文化出版局
    2014 年 『刺繍のいろ』 BNN 新社
    2016 年 『刺繡のはじめかた』 マイナビ出版
    2016 年 『刺繡のエンブレム AtoZ 』 文化出版局
    2019 年 『刺繡博物図』 小学館
    2021 年 『刺繡博物図 2 なくなってほしくない美しいもの』 小学館 2022 年 『刺繡のはじめかた 増補新版』 小学館
    2024 年 『黒い糸で紡ぐある家族の刺繡』 文化出版局

    www.itosigoto.com










これまでのワークショップの様子


  • ワークショップ「繕いもの(ダーニング)をしてみる」

    2024年2月11日(日)
    長谷川町子記念館ミーティングルーム

    穴のあいてしまったお気に入りの服や靴下、皆さんはどうしていますか?

    ちょっと時間をかけて可愛く繕えばまだまだ使えるはず。

    サザエさんが描かれた昭和の時代では、日常的にフネさんやサザエさんが裁縫をしている姿があります。
    第3回目のワークショップでは、刺繍作家のatsumiさんをお招きして、繕い物をする「ダーニングワークショップ」を開催しました。

    ご参加いただいた皆様には、靴下や手袋をはじめ、ニット、スウェット、ジーンズなど繕いたいものを持って来ていただきました。
    使う糸を選び、基本的な縫い方を学んだらダーニングスタートです。

    ニットなどの伸縮性のある素材の時はダーニングマッシュルームを、デニムなど伸縮しない布帛の素材の時は刺繍枠を使いながら繕っていきます。また、手袋の指の部分などには細い棒状のものを使います。
    それぞれどの道具を使うのが良いか、atsumi先生が見て周り、アドバイスしてくださいました。

    いずれも直したい穴が中央になるように道具をセットします。まずは穴が広がらない様に、ぐるりとランニングステッチをして、穴の周りを縫っていきます。

    次に、縦糸を穴の上に張ります。間を詰めすぎないように、空けすぎないように、加減がなかなか難しそう。

    そして横糸を通していきます。
    縦糸の上・下・上・下と、一本おきにすくっていき、最後まで埋めていきます。
    縦糸と横糸を使って、織物が織り上がっていくようです。 縦横の糸色を変えると、作業がし易く、仕上がりがカラフルで楽しそうです。

    質問が飛び交い、初めましての方とも互いに教え合いながら、それぞれ黙々と進めていきます。

    そして、思い思いのダーニングの完成です。選んだ糸によって仕上がりも様々です。
    お直しだけではなく、可愛く素敵に装飾もできました。


    刺繍の目立たせ方や色の組み合わせや縫い幅など、皆さん工夫しながら楽しそうに繕い物をしている様子が印象的でした。

    穴のあく場所は人それぞれで、靴下の踵ばかりに穴があく人もいれば、手袋の親指の人も。皆でやるとそんなことにも気付かされますね。

    時間をかけ、「直して使っていく」「使い切る」ことの大切さと楽しさが伝わってくるワークショップでした。




  • ワークショップ「はたきを作ってみる」

    2023年12月13日(水)
    長谷川町子記念館 喫茶部

    良いお天気に恵まれて、暖かい陽の差し込む喫茶部にて、はたきづくりのワークショップが開催されました。
    昭和の衣食住が描かれているサザエさんにも、はたきは度々登場するアイテムの一つです。
    年末のお掃除したくなる季節に、掃除道具を自分で作る企画です。
    先生は、東京谷中で荒物屋を営む松野屋の松野きぬ子さんです。

    ご参加くださった皆さんには、使い古した手ぬぐいをお持ちいただきました。
    まずは、手ぬぐいの長辺を60cmに短く切って、それを短冊状にしていきます。
    「少しだけ切り込みを入れてあとは手で裂くと簡単よ」ときぬ子先生のアドバイスがあり、ビリビリッと布を切り裂く音が響き、皆さんも心なしか爽快な表情をされていました。

    短辺をまずは半分の細さに、それをまた半分に、それを繰り返して、合計12本の短冊ができました。

    それを放射状に重ねて広げていき、中央の重なった部分を一点止めします。
    綺麗に広がった手ぬぐいは、花びらのようにも見えました。

    そのお花の中心に、はたき用の竹の棒(はたきの先が抜けないように、引っかかりとなる釘が打ってあるもの)を置いて、手ぬぐいを被せたこ糸でしっかり止めます。
    たこ糸をぐるぐる結ぶという行為も、今の日常ではあまり機会がないかもしれません。

    それをまた逆さまにして、もう一度たこ糸できつく縛れば、はたきの出来上がり。
    最後に、棒の反対側に引っ掛けるための糸を通して、完成です。

    ここまで早い方では30分もかからない程でした。
    こんなに気軽にはたきが作れるなんて、と皆さん嬉しそうなお顔をされていました。
    自分で道具を作ってみると、早速使ってみたくなる、それはすなわちお掃除したくなるのですね。

    お部屋用に使って、お外用に使って、そのあとはまた手ぬぐいを付け替えれば、ずっと使い続けることができます。

    最後に、はたきをかけるときのポイントも教えてくださいました。

    上から下にはたくこと。

    埃が上から下へと落ちるからです。

    ご参加者の皆さんが教え合ったり、きぬ子先生の被られていた「あねさん被り」の作り方(こちらも手ぬぐいで作ることができます)を質問されたりと、長谷川町子記念館らしい終始和やかな時間でした。
    きぬ子さんは購買部の手ぬぐいを使って、ワークショップの合間に吾妻袋も作ってくださいました。

    このような暮らしの知恵のような家庭内での手仕事は、伝統工芸のように伝承される機会もほとんどありません。
    松野屋の皆さんが、荒物と一緒にこのような暮らしのことを自分たちが伝え手となって、少しでも残していけたらとお話しされていたのが印象的でした。




  • トークショー『鮭について聞いてみる』

    2023年11月12日(日)
    長谷川町子記念館 喫茶部

    長谷川町子記念館では、サザエさんをはじめとする長谷川町子作品に描かれた、昭和という時代の日本人の生活や、習慣、知恵などに再注目しながら、ただ懐かしむのではなく、今、そしてこれからの私たちがほんとうに大切にしていきたいモノやコトって?なんだろう?そんなふうに物事を考えるキッカケになればと、様々なワークショップを企画してみることにしました。

    時は秋。芸術の秋、食欲の秋。
    長谷川町子記念館ワークショップ第一弾の主役は「鮭」でした。サザエさん一家がみんなで食卓を囲む時、食べられていた焼き鮭はどんな味だったのでしょう?
    築地の専門店「昭和食品」から鮭のスペシャリスト佐藤友美子さんをお招きして、プロの為のプロが働く町「築地」について、そして佐藤さんご自身も毎日食べるほどに愛している「鮭」についてじっくりと教えてもらえることになりました。

    当日朝は、記念館の中庭にテントを建て、トークショーご参加の皆さまにお召し上がりいただく鮭おにぎりを作ることから始まりました。
    佐藤さんの握る鮭おにぎりは、旬の秋鮭や、とっても辛いけれど旨みがギュッと詰まった超辛口塩辛など、5種類もの鮭をブレンドして作られます。フライパンでじっくり焼き付け、丁寧にほぐした鮭フレークは、味わい深い、とっても美味しい鮭おにぎりになりました。


    トークショーでは、日本の魚食文化の礎を築いた築地魚河岸の歴史から始まり、 鮭の一生、発展を遂げる鮭の養殖、美味しい鮭の食べ方など、多岐にわたるお話を伺うことができました。

    なかでも、佐藤さんの著書「鮭とごはんの組み立てかた」の内容をもとにおはなしいただいた、鮭の美味しい食べ方は目から鱗の数々でした。 昆布のお出汁と、鮭の旨みだけでいただく炊き込みご飯など・・ぜひ試してみたくなりませんか・・?根菜や山菜類など、意外な食材と合わせておにぎりにしても、とっても合うそうです。

    トークショー後のお買い物コーナーには、昭和食品さんの鮭食べ比べセットや、鮭おにぎりに使用した隅田屋さんの美味しいブレンド米「隅田屋米」などが並び、大盛況でした。