収蔵コレクション展「異国の風景」
2023年8月5日(土)―11月26日(日)

荒井孝「光采」 紙本彩色 40号

 

 長谷川町子は昭和39年(1964年)、海外旅行が自由化されると共に、その年の7月にはヨーロッパ旅行へ出かけています。その後も外遊は続き、あるときは姉と二人、あるときは母親をつれて、あるときは妹とふたりと、生涯で巡った国は20数ヵ国にも及びます。全ては町子の未知なるものへの好奇心のなせるわざでありました。町子が姉の毬子と美術品の蒐集を始めたのが昭和30年頃からで、それらの美術品の中には海外の風景をモチーフにした作品も少なくありません。今回の収蔵コレクション展「異国の風景」では、画家が自ら外国に取材した作品や、異国の地に思いを馳せて描いた作品などを収蔵作品の中から選りすぐり、展示紹介いたします。中国の大自然を描いた東山魁夷「江畔放牧」、加山又造「彷北宋青緑山水」、シルクロードに取材した平山郁夫「月下らくだ行」、「アフガン人」、九寨溝を描いた楊紹良「聚寶天池」、インドに取材した荒井孝「光采」、ヴェネツィアのゴンドラを描いた松村公嗣「舟唄」、フランスで絵を学んだ荻須高徳「ポスターのあるベルヴィール風景、パリ」やユトリロの「マロールの教会」など、魅惑的な異国の風景が並びます。
 今年からようやく規制も緩和され、海外旅行にも自由に行けるようになりました。久しぶりにリフレッシュされて帰国された方も多かったことでしょう。まだなかなか海外へは…という方々にも、今回の収蔵コレクション展「異国の風景」が、異国の地への憧れと感動をもたらしてくれるものになることを願っております。

<開催概要>
展覧会名: 収蔵コレクション展「異国の風景」
開催場所: 長谷川町子美術館 (東京都世田谷区桜新町1-30-6)
開催期間: 2023年8月 5日(土)― 11月26日(日)
開館時間: 10時~17時30分(受付締切16時30分)
入館料: 一般 900(800)円、65歳以上800(700)円、大学生・高校生 500(400)円、
中学生・小学生 400(300)円
※()内は20名様以上の団体、障がい者手帳をお持ちの方とその介護者
※美術館・記念館の両館をご覧いただけます。
休館日: 月曜日(ただし、9/18(月)・10/9(月)は開館、9/19(火)・10/10(火)は休館 )
お問い合わせ: 一般財団法人 長谷川町子美術館  TEL03-3701-8766