「わかめちゃん」という言葉を耳にしたら、おかっぱ頭で少し短めのスカートが似合う女の子を思い浮べるのではないでしょうか。
「わかめ」は、長谷川町子の代表作『サザエさん』の登場人物の1人です。アニメではしっかり者の優等生のイメージですが、町子が描いた「わかめ」は、子供らしい表情やしぐさが魅力の活発な女の子です。時にわがままで強情、自分の要望を通すためには仰向けになって手足をバタバタさせて泣きわめいたり家族にいたずらをして困らせたりする一方で、大人びた物言いをし、積極的にお手伝いをしてくれる、家族が大好きな優しくて良い子でもあります。
『サザエさん』は、1946年4月22日の『夕刊フクニチ』で連載が始まり、掲載紙が変わるなどの休載をはさみながら1974年まで続きました。その間、新聞以外の仕事も抱えつつ、町子は児童向けの雑誌等で「わかめ」を主役にした短編漫画を連載していきます。それが『わかめちゃん』です。そんな多忙の中、町子は「わかめ」を主役にした絵本シリーズも手掛け、家族で立ち上げた出版社の姉妹社から発売しました。
本展では、「わかめちゃんの魅力が伝わる」を基準として選定した、カラーを含む作品原画を中心に 連載雑誌、絵本、関連資料、グッズを展示します。また、ふと疑問に思うであろう読者視点でのモヤモヤをピックアップし、「わかめちゃんの不思議」も魅力と一緒にご紹介します。読んでいると、ぎゅっと抱きしめたくなるような可愛らしい女の子にぜひ会いに来てください。本展が、町子の描いた「わかめちゃん」の世界を、多くの方に知っていただくきっかけになることを願っております。
<開催概要>
展覧会名: 企画展「わかめちゃん」
開催場所: 長谷川町子記念館 2階 企画展示室 (東京都世田谷区桜新町1-30-6)
開催期間: 2023年12月9日(土)― 2024年3月24日(日)
開館時間: 10時~17時30分(受付締切16時30分)
入館料: 一般 900(800)円、65歳以上800(700)円、
大学生・高校生 500(400)円、中学生・小学生 400(300)円
※()内は20名様以上の団体、障がい者手帳をお持ちの方とその介護者
休館日: 月曜日(ただし、1/8(月)・2/12(月)は開館、1/9(火)・2/13(火)は休館 )
年末年始(12/28(木)~1/5(金))
お問い合わせ: 一般財団法人 長谷川町子美術館 TEL03-3701-8766