収蔵コレクション展「春よ来い」
2023年12月9日(土)—2024年3月24日(日)

田渕俊夫《早春》紙本彩色 40号 1977年

 9月の気象庁の予報では、2023年~2024年にかけての冬は暖冬傾向にあり、一時的に大雪が降る可能性があると発表されました。世界中が抱えている地球温暖化の問題は、年々深刻さを増しているように思われます。それでもやはり、暦が12月になれば、それだけで肌寒くせわしなく感じるのですから、長年染みついた人の体感というのは、そうそう変わるものではないのだなと痛感させられもいたします。

 さて、このたび長谷川町子美術館で開催いたします収蔵コレクション展「春よ来い」は、冬の寒さを耐え忍んだ後のあたたかな春を待ちわびる気持ちはもちろんですが、それだけではない、人それぞれが心に思うところの春を総称しての「春よ来い」をテーマにいたしました。いうなれば、人生の応援歌です。人は人生を四季になぞらえて、それによって救われてもまいりました。春が来て、夏になり、秋が来て、冬になる。そしてまた、春が巡ってくる。人は再生と消滅とを繰り返しながら、まるで人生の大河を渡っていく小さな笹舟のようでもあります。今回は、当館の収蔵作品788点の中から、1階展示室には吉田善彦「伊吹浅春」、田渕俊夫「早春」など冬の寒さと春の気配が感じられる作品を、2階展示室には速水御舟「山ざくら」、那波多目功一「爛漫の春」など、春を代表する花・梅や桜をモチーフに描いた作品を選りすぐって一堂に展示いたします。

 これらの作品が、皆様それぞれの「春」に呼応して、元気の原動力になりましたら幸いです。

速水御舟《山ざくら》絹本金地彩色 27.0×24.0㎝ 1925年

<開催概要>

展覧会名:                収蔵コレクション展「春よ来い」

開催場所:                長谷川町子美術館 (東京都世田谷区桜新町1-30-6)

開催期間:                2023年12月 9日(土)―2024年3月24日(日)

開館時間:                10時~17時30分(受付締切16時30分)

入館料:         一般 900(800)円、65歳以上800(700)円、大学生・高校生 500(400)円、

中学生・小学生 400(300)円

※()内は20名様以上の団体、障がい者手帳をお持ちの方とその介護者

※美術館・記念館の両館をご覧いただけます。

休館日:                    月曜日(ただし、1/8(月)・2/12(月)は開館、1/9(火)・2/13(火)は休館 )

         年末年始(2023年12月28日(木)~2024年1月5日(金))

お問い合わせ:       一般財団法人 長谷川町子美術館  TEL03-3701-8766